塗料の情報館

工事の保証期間について

そもそも塗装の保証とは何か

ここでは、「品質保証期間」というものについて説明いたします。
塗装工事は特に目に見えない商品の為に、お施主様は「保証期間は何年だ」と聞かれる場合が多々あります。
極めてあいまいな業界の規定の為にどのメーカーも定義していないのでここで定義づけておきたいと思います。

塗料は自動車や家電製品と違って、塗装業者によって塗装されて初めて製品となるものですので、保証も塗料メーカーと塗装業者の連名という形での保障となります。ただしこれは大規模な現場に限られます。
戸建住宅など小さい規模は、業者単独で保証書を出します。なぜなら日本中すべての現場にメーカーが保証をしていたのではいくら人数がいても足りないうえにその業者の技術や力量なども測りかねます。現場管理も行き届くわけではありません。
工事そのものの品質保証はやはり工事業者の責任でなされるものであります。大規模工事に限り、元請さんと下請けさん、販売業者が連名で保証書をだすというケースが一般的と思われます。

しかし、お施主様が心配なさっているのはこの「保証期間」ではないはずです。
本当に心配なさっているのは「耐用年数」のはずです。

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保証期間とは

当社では、明らかに塗料の品質や塗装の作業に起因する著しい塗膜欠陥が発生した場合に、メーカーなどと協力して原因を究明し、解決まで無償で再補修塗装をする期間を「保証期間」と定めています。これには、ほこりや雨による汚れや人的行為による傷、歩行による磨耗など不可抗力的なものは含みません。

まず、「保証期間は10年です。」と、太っ腹な業者がいたとします。それでいくと、塗り替えてから9年9ヶ月すぎた時に塗装がはがれてきたら全面足場をかけて無料で塗りなおすのかという問題が起きます。これで「はい」と答える業者はいないはずです。

最も重要なことは、「どの時点まで塗膜を保たせて耐用年数とするか」 だと思います。

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耐用年数とは

当社では、塗料を塗装してから、劣化して塗り替えが再度必要だと判断されるまでの期間を 「耐用年数」と位置づけています。下記の表の劣化状況については別途大規模修繕のページに写真が掲載されています。

劣化過程 耐用年限度
塗膜 チョーキング 変退色 細かい割れ 浮き 剥がれ 摩耗・風化
一言に「耐用年数」といっても、果たしてどの時点まで耐用させて耐用年数というのか、明確にしておく必要があります。
「この塗料はどのくらいもつの?」と聞かれた場合に、「塗膜がどんな状態になるまでのことを指すのか」が重要になります。
塗り替えてから塗膜にチョーキングが発生した時点か、剥がれが発生した時点かではウレタン塗料クラスで数年もの差があります。
塗膜にチョーキングが発生するのは5年から7年目でも、剥がれにいたるのはもっと遅く、15年後くらいかもしれません。安いエマルションなどは外部に塗装したら1年でチョーキングかもしれません。
どこまで保たせるかはっきりさせておかなければ見解の相違が生まれます。
「一般的に塗膜を塗り変えなければならない状態にあるのは表面に細かいヘアークラックが発生した時点である」と私は結論づけます

それと、コンクリート建造物の場合は塗膜の劣化と同時に躯体そのものの劣化も進行していきます。
すなわち、躯体のひび割れ、水の浸入によるエフロの発生(アルカリ分の流出)漏水、水の浸入による鉄筋の腐食、それによる爆裂、そして欠損・崩壊という具合に劣化が進行していきます。
爆裂までいってしまうと補修費用も増大しますし、資産価値が著しく目減りします。
外壁を「もたせる」とはこうした資産価値まで脅かすような欠陥を作り出さないようにすることをいいます。

同じ塗料を使用したとしても、環境の良い場所か、工業地帯や海浜地区など劣悪な環境にある場所かでは耐用年数に大きな差が生じますし、現在よりさらに環境悪化・大気汚染が進行するのは間違いありませんので、その点も考慮してケースバイケースによる耐用年数になってきます。
予算の都合でできない施工もある場合にどこまでが補償範囲で、どこまでが免責事項かも変わってくる場合もあります。

たとえ高耐候性塗料といえども長い期間を塗り替え時と同様に保つのは不可能と言えますので、「保証期間」とは、ある一定の期間に、明らかに塗料自体の品質や施工に原因があると認められた場合に限り補償するものであり、「塗料自体が何年もつか」というのは「耐用年数」と認識してください。

これらの事を総合的に考えて「保証期間」を話し合いで設定することがお客様との長年にわたる信頼関係を築くものと思われます。
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一般的保証年数

一般的保証年数はウレタン・シリコン以上で外壁5年、鉄部は現状の状態と塗装仕様・ケレン方法に応じて1年から3年です。汚れや傷などの不可抗力、藻などは除外です

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