塗料の情報館

究極の難工事を制す!!

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このコーナーはある企業の事務所ビル屋上で、下から温泉のように水が湧き出ている防水層を施工したときの汗と涙の難工事の施工ドキュメントです。
築30年くらいのビルはこのような現場が多く、しかもこの時の工事は3日に一度必ず雨が降るという最悪の現場でしたが、ここをクレーム一つ無く収めていまだに塗膜異常なしという究極の現場の記録です。
いかに工事を成功に導いたかの施工方法をご紹介します。この現場は元請ゼネコンさん、下請け塗装店、当社は材料と設計でした



なぜ屋上防水層なのに下から水が湧き出ているか

この現場の屋上の構造はコンクリートで、仕上げにウレタン防水が施されていたが、すでにボコボコの状態で、前回の塗り替え・防水塗装の際も下から水が湧き出ていたらしく、セメントで全面塗り固めてから防水塗装したらしい。が、そのセメントまでも打ち破って水が湧き出ていた。フタをすれば水が止まると前回の業者は考えたらしい。そのため旧塗膜やらセメントやら何層にも厚く重なっている下地で、これも最悪です。

まず防水層の構造を理解しなければならない。で、何で水が沸いてくるのかを理解しなければいけない。そのためには現在ある防水層を剥離しなければならない。下に何があるのかを見なければ治療はできない。まず、前回の業者が施工した防水層を全て撤去しました。

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下地処理

防水層はたいていの場合、一番下に防水シートがあって、これで雨漏れを防いでいます。その上に押さえコンクリートが分厚くあり、最後に硬い防水セメントか、シートか、防水塗料か保護層が異なります。

この現場の場合は、この分厚いコンクリート層がスカスカの状態で、一度ひび割れとか保護層の欠損があると水分が浸透しやすく、水がたまりやすい状態であることをまずつきとめた。 そして、太陽がでている日中だけ目地から水がわきでている。
これは、日中太陽で表面が温められると、コンクリート内部の空気層が膨張して、たまっている水を押し出し、それが目地とかクラックとか、上部に抜ける道からあふれ出ているという原因であることを把握した。 要は重力に逆らって水道も源泉もない屋上から水が沸いてくるというのは何かが水を押し出しているからで、原因さえわかれば解決方法は簡単だ。だがその施工は困難を極めた。
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施工開始

まず屋上の目地を全て撤去して掘り起こす。水の流れる場所を作り、通気を確保する。下地の水が全て蒸発しやすいような環境を作る。
次に、乾湿両用の掃除機でこのあふれてくる水を吸い取る。とにかくどんなに暖めても沸いてこなくなるまで水を吸い取る。あらゆる方法を試したが掃除機が一番早い。

この現場は施工の途中でも容赦なく雨が降り、吸い取っては又たまるという忍耐の施工となった。

重要なのは、どんなに水と空気が膨張してもあふれてこなくなるまで下地の水をとってしまえばいいのである。それを止水剤などバンバン打ち込もうものなら、その部分の水は固まるかもしれないが、まだ下にはかなりの水がたまっている。止水剤で固まらせることによって通気は遮断され、蒸発しにくくなる。通気工法をしても無駄ということになる。別の場所から水があふれてくる。
また、上にセメントやら防水塗料でどんなにフタをしても、下に温泉のような水がたまっていれば簡単に突き抜けてくる。ここはどんなに施工が長引いても水を抜くしかない。

これはつらい工事だった。この現場が成功したのは、元請の社長が慎重かつ堅実な方で現場重視の采配をとってくれたことと、職人もよく耐えて従ってくれた。そしてこちらの提案する方法をよく受け入れてくれた。まるでうちが元請けのようなものである。

予算が全くない業者の場合はここで忍耐しないですぐに塗装に入ってしまい、後でアフターサービスの手直しに一生苦労するはずである。原因を解決しないで塗装すれば結果は歴然としている。

で、水をなんとかあふれてこなくなるまで抜いた。ここからは猛スピードで、次の雨が降るまでに施工しなければならない。700uを超える現場で、もし重大クレームが起きれば、業者からなにから夜逃げするしかない。
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防水塗装

・まず全体的にカチオンフィラーを塗装。これも蒸気を分散させられる。
・目地はバックアップ剤とシーリング施工
・脱気筒と脱気盤を通常の3倍とりつけた。
・その上から必殺「通気緩衝工法」脱気シートを張って、すぐに防水塗料塗布。
下からあふれてくるのが止まって、上から水が入らなくなればあとは水蒸気が勝手に抜けてくれる。脱気筒と脱気盤は合計で20箇所くらい取り付けた。

これも、あとからふくれてきて手直しする費用に比べたら安い。
そして若干の手直しはあったが見事に仕上がった。ふくれもなければ浮きもはがれもない。当然下からの水も上ってこなくなった。忍耐の勝利だ。が、もう二度とやりたくない。
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